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2005.10.27

『野球蝉』

『「アングラ・プロ野球ミステリー」 野球蝉』 大村秀正

流通コードのついた自費出版本。

今年の日本シリーズは昨夜ロッテの圧勝で幕を閉じたが、
この本の中では、東京パープルズと浦和レインボーズが
対戦する、2004年日本シリーズの展開と平行して事件が
展開してゆく。探偵役はパープルズのエース、青山俊介。
ちなみに、東大出身投手ということで話題になった、
元ロッテ(当時はオリオンズ)小林至氏が、帯に推薦文を
寄せているのだ。

作者は野球取材歴20年、だそうであり、一例を挙げると
“ファンを招待する「○○選手シート」は、飲酒運転の
マスコミばれを球団に揉み消してもらった選手が
ペナルティとして、球団から買わされたもの(大意)”等、
眉に唾をつけたくなる裏情報がちりばめられている。
プロ野球改革への提言や、個人情報保護について
調べた知識をそのまま羅列した部分が散見される
のはいただけないが、文章も比較的読みやすく、
話もテンポ良く進んでゆくのが期待を持たせる。

――と、思っていたら。

解決に近づくにつれ、サブタイトルの「アングラ」が
どんどん前面に押し出されてきた。
話としては相当に破綻しており、笑っていいのか
呆れていいのかよくわからない。
えー、強烈な真相の果てに、スクープの反響によって
プロ野球改革は滞りなく行われたようなのだが・・・
もしホントにこんなのが暴かれたら、間違いなく
プロ野球そのものが潰れます(^^;)。


#う~ん、野球がかなり好きで、なおかつおおらかな
#性格を自認するむきには、この本はお薦めである。
#ということにしておこう。ある意味奇書の類。

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Comments

「雨の日くもりの日」の筆者は読解力がないなぁ。自分はマスコミ人だけど、読めば読むほどボディブローのように、きいてきた。確かに個人情報の箇所に見られる事実の羅列は気になった。しかし、それが伏線になっているし、プロット(1~9回)の分け方、タイトルの付け方など、うまい。書籍に見られがちな無駄な文がない。最後の「太陽」を「父」に引っ掛けている比喩など秀逸だ。これを「奇書」とか「破綻」とか表現するなら、筆者には本を論じる能力がないのでは?

Posted by: ディレクターB | 2005.11.01 at 07:12 PM

「ディレクターB」さんに同感です。プロ野球をフィクションにすることは足かせがあって難しいけど、事実に基づいたアングラをうまく表現しています。サインのトリックなど、凄い。ミステリーのみならず、個人情報保護など現代の問題点を挿入してもいます。比喩も上手。私もいつかこんな長文を書いてみたいと思います。

Posted by: スポーツ紙記者 | 2006.08.15 at 02:31 PM

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